東林苑(神石高原ホテル)~壮大な借景を持つ絶景庭園~

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広島県にある「神石高原ホテル」の敷地内に造られている日本庭園「東林苑」に行ってきました。

(神石高原ホテルは、2021年3月30日(火)をもって、ホテルの営業が終了します。東林苑では、非常に美しい庭園を観賞させていただき有難うございました。神石高原にて今まで、くつろげる場所を提供していただいていたことに感謝しております。

アクセス

訪問日は、福山市内から車で国道182号を走り「東林苑」に向かいました。

国道182号沿いにある「道の駅 さんわ182ステーション」を通過して、県道104号への分岐を右折。

数百メートル進み、県道418号に入り暫く走ると「東林苑」のある「神石高原ホテル」が見えてきます。

駐車場

「東林苑」の横に駐車場がありました。

「神石高原ホテル」にも駐車場があります。

近隣交通機関からは

JR「福山駅」から国道182号、県道104号、県道418号、経由で約28.2キロ

福山東インター入口から 国道182号、県道104号、県道418号、経由で約25.1キロ

地図

(神石高原ホテル)東林苑

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「東林苑」は、標高約600mに位置する「神石高原ホテル」の敷地内に造られている日本庭園です。

一万坪の敷地を有する池泉回遊式の庭園で、高原から見る中国山地の山並みを借景としています。

庭園から少し北の駐車場に車を停めて入園。

南に向かって歩き、まず目に飛び込んできたのは春風にさざめく大きな池とその周りにたくみに配された植え込み、そして庭園の背後に広がる中国山地の山々、どこまでも続く空。

「なんと壮大な借景をもつ庭園だろうか。」

というのが最初の印象でした。

これほどスケールの大きな借景は、なかなか見ることがありません。

「東林苑」を作庭したのは、昭和の小堀遠州とたたえられ、島根県にある「足立美術館」の庭園を手がけた中根金作(なかね きんさく、1917年- 1995年)氏。

「足立美術館」は見事な借景を持つ庭園として有名ですが、その卓越した技法は「東林苑」でも十分に発揮されています。

北には、緩やかな傾斜にモミジをはじめとする新緑と紅葉が美しい植栽が植えられた林。

東を見上げると、ツツジ山の上に建つ茶室「双忘亭」。

周囲の自然と調和した素晴らしい景観です。

入園券割引について

JR「福山駅」方面から「神石高原ホテル」に向かう国道182号沿いにある道の駅「 さんわ182ステーション」の近くに神石高原町観光協会の建物があります。

ここで「東林苑」の割引券をもらえました。(2019年5月時点)

庭園の景観

中島と橋

手前から「淵明橋」、「方丈島」、「恵遠橋」。

虎渓瀑

虎渓瀑の上流

虎伏石

庭石

佐渡の赤玉石でしょうか。

つつじ

園内には多くのつつじが植えられていました。

その数なんと5万株だそうです。

枝垂れ桜

春には非常に美しい花を咲かせるそうです。

竹林

庭園の北の林の中には、竹林も造られています。

「東林苑」の西湖の堤

入口にある案内板によると「東林苑」は、園内と園外の境界の生垣が西湖の堤になっているようです。

西湖の堤は、中国杭州の景勝地である西湖の湖面を直線的に分ける堤防を縮景したものを日本庭園の中に取り入れたものです。

東京都の小石川後楽園や広島県の縮景園などにも配されています。

池泉などに石造りで造られるのが一般的ですが、「東林苑」の西湖の堤は庭園の境に生垣で造られていることに驚きました。

園内と園外の境界としての堤か、庭園と中国山地を一体のものとして考えその象徴として堤を配したのか。

他の庭園の西湖堤の使われ方を考えると後者のような気がします。

四つの茶室

茶室設計の第一人者であり、京都伝統建築技術協会の会長でもある中村昌生氏が造った四棟の茶室も庭園の見どころです。

茶室を利用したい方は、有料での貸し出しも行われています。

秀嶺軒

「東林苑」の入り口近くの高所にあります。

中国山地の秀でた嶺々を見渡すことができる、眺望がすばらしい茶室です。

大規模なお茶室で、様々な用途に対応できます。

三笑軒

「三笑軒」は、庭園北側の林の奥にあります。

表千家の好みのお茶室で、小間は猿面の席のうつしになっています。

遠山庵

「遠山庵」は、「三笑軒」のすぐ近くに建てられています。

裏千家のお茶室、今日庵と又隠のうつしがあるそうです。

双忘亭

「双忘亭」という名は、 生と死、善と悪など二元対立の世界で生じる迷妄を離れるために必要などちらも忘れきるという心境を現しているとのこと。

遠州伏屋敷の「鎖の間」が復元されていて、小間は四畳台目の下座床で、松花堂の茶室「閑雲軒」の写しです。

「 双忘亭」付近からの眺めは本当におすすめです。

本格的な日本庭園を前景に、広々と広がる中国山地の山並みを眼下にする景観は、まさに絶景。

最初に、この景色を見たときは思わず感嘆の声がでました。

まとめ

壮大な借景を持つ名園です。

手入れの行き届いた植栽、たくみに配された橋や庭石などの造形物。

そして観賞する場所によって、変化のある景観を見せる池泉。

散策中まったくあきのこない、素晴らしい池泉回遊式庭園でした。

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基本情報

所在地

〒720-1603 広島県神石郡神石高原町時安5090

交通アクセス

福山駅から県道378号、県道391号、国道182号経由で約28.2キロ

福山東インター入口から 国道182号、県道104号、県道418号、経由で25.1キロ

料金

一般

1,000円(呈茶席をご利用の方は
別途500円。)

訪問日

2019年5月

「東林苑」利用案内

入園料

一般
1,000円
(呈茶席をご利用の方は
別途500円。)

レストランの利用客
無料
(呈茶席をご利用の方は
別途500円。)

宿泊客
無料

お問い合わせ先

0847-85-3000

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