長谷の棚田(ながたにのたなだ)~伝統的な石積み施設を持つ広大な棚田~

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大阪府の最北端の町である能勢町の「長谷の棚田」に行ってきました。

長谷の棚田への交通アクセス

長谷の棚田へは、車で「大阪市」方面から県道603号を経由して訪れました。

案内板などが見当たらなかったので、道をさがしながらの行程となりました。

県道603号から、川沿いに延びる農道に入り棚田へ向かいます。

(目印は棚田農園と長谷方面への案内です。)

道の両側に水田が広がる、田園地帯をぬけ棚田に到着。

駐車場

観光用の専用駐車場は見当たらなかったので、路側帯が広い道路の路肩に車を寄せて棚田を観賞しました。

近隣交通機関からは

能勢電鉄「山下駅」から国道173号 経由で約12.9 km

能勢電鉄「山下駅」よりバスに乗車「森上」で下車をして府道602号 経由で約2.7 km

地図

長谷の棚田

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まず西側から棚田を眺め、その後外周部を周りました。

西側からは、見渡す限りに広がる田園地帯が見えました。

長谷の棚田は思っていた以上に広く、標高564mの三草山(みくさやま)の中腹から山裾まで連なっています。

「長谷の棚田」の面積は約30ヘクタール。

棚田の平均勾配は5分の1。

高い位置にある田と低い位置にある田の標高差は200m。

1999年に農林水産省が選定した「日本の棚田百選」に選ばれています。

これほどの水田地帯が、大阪府に存在するとは驚きです。

農林水産省のサイトによると、「長谷の棚田」には約550枚の棚田があるそうです。

どこまでの範囲が棚田として登録されているのかわかりませんが、パッと見もっとありそうな感じがしました。

上部から見る棚田も、広々として見応えがあります。

こうして上部から見ると、急傾斜かつ標高差の大きい棚田であることがよくわかります。

「長谷の棚田」には、麓から中腹を周る舗装路がつけられていました。

普通車一台分ほどの幅の道が多かったですが、所々に離合場所が設けられています。

ただし、舗装路は観光用の道ではなく生活路なので車で走る場合は他車の通行を妨げないよう気を付けて運転しましょう。

これだけ広々と棚田が続いていると、夏の青葉や秋の稲穂が垂れる時期も素晴らしい景色になるのではないでしょうか。

水田に水が張られる田植えの時期は、例年5月末から6月の上旬頃。

稲が葉をのばす時期は、例年6月下旬頃から。

稲穂が垂れる時期は、例年9月上旬頃です。

茅葺き屋根の民家が見えるのも棚田の景観として素晴らしく、写真や絵画を趣味にしている人にとっても魅力のある場所になっているのではないかと思います。

広大な水田地帯が広がる今の姿からは想像できませんが、かつてこの付近は水の豊かな平地が少なかったそうです。

そこで、長い年月をかけて灌漑工事が続けられました。

雨水が流れる急峻な谷川を石積みで囲い、その上に耕土を置き「がま」と呼ばれる地下排水溝を整えながら棚田を開いていきました。

その給排水設備が築造されたのは、戦国時代末期以前だということです。

水田の間に見える用水路も「がま」の一部でしょうか。

休耕田が所どころにありましたが、まだ景観をそこなうほどではありませんでした。

まとめ

山の中腹から麓の平野部まで広がる、スケールが大きい棚田です。

特に朝日に映える棚田だそうで、田に水が張られる時期にはカメラマンも訪れているそうです。

急こう配で高度差のある見ごたえがある棚田ですが、観光用の開発はされていなかったので節度をもって見学しましょう。

余談ですが、棚田のひろがる三草山では、ミドリシジミ類の珍しいチョウ・ゼフィルスがみられます。

そのことから「大阪みどりのトラスト協会」が中腹の地上権を取得し、「ゼフィルスの森」として保全しています。

基本情報

所在地

〒563-0368 大阪府豊能郡能勢町長谷653

交通アクセス

能勢電鉄「山下駅」から国道173号 経由で約12.9 km

能勢電鉄「山下駅」よりバスに乗車「森上」で下車をして府道602号 経由で約2.7 km

料金

無料

関連サイト

能勢町公式ホームページ

写真撮影日

2019年5月

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