重厚な寺勾配の石積みが特徴的な、「岩座神の棚田」に行ってきました。
アクセス
「岩座神の棚田」へは姫路市方面から加美宍粟線県道8号と国道427号を経由して向かいました。
国道427号から松井庄郵便局付近で左折し「岩座神の棚田」への道を5キロ程進むと「岩座神の棚田」の案内板が見えてきます。
駐車場
観光案内版のある棚田の南入口に車を停めて周囲を散策しました。
駐車スペースは普通車数台分。(5台程)
駐車料金は無料でした。
入口から少し北にある、公会堂の前にも駐車場がありました。
最寄り駅・近隣交通機関から
- 西脇市駅から国道427号を経由して約21.7 km
- 寺前駅から県道8号を経由して2約2.8 km
- 本黒田駅から県道139号を経由して約19.9 km
- (バス)JR加古川線「西脇市駅」から神姫バス「多可町加美区熊野部」下車。 バス停から徒歩約50分。
- (車) 中国縦貫自動車道 滝野・社ICまたは加西ICより約50分
地図
岩座神の棚田
「日本の棚田100選」に選定されている「岩座神の棚田」は、 千ヶ峰(標高1005m)南側山腹の斜面地にある岩座神地区にあります。
千ヶ峰は「仙ヶ峰」と書かれることもあり、「神おわす」との山岳信仰により「岩座神(いわすわりかみ)山」と呼ばれました。
それが後に「いさりがみ」に変化したといわれています。
棚田は標高280m~430m、勾配6分の1の傾斜地に築かれています。
棚田の数は約360筆。
岩座神の棚田は鎌倉時代から続くと伝えられ、反り返りの美しい「寺勾配」の石積みで造られているのが特徴です。
「寺勾配」とは寺の屋根の様に、上部にいくほど急になりそり上がる勾配のことです。
お城の石垣にも「寺勾配」のものが多くあります。
また石積みの間には、山々のわき水を田へ引くために暗きょが張り巡らされています。
棚田の景観
山の斜面に城の石垣のような、しっかりとした石ずみで造られた棚田が連なっています。
鎌倉時代から続く「岩座神の棚田」の石垣は、古いものでは700年も経っていると言われます。
印象的だったのは、その石積みの高さ。
平均2.3m、高いもので5.3mもあるそうです。
石垣には所々に暗渠が見えます。
上部や端々に所どころ畑に転作されたり休耕している土地もありましたが、斜面地の中ほどでは大半の棚田が現役で耕されているように見えました。
石垣の他、この棚田で心に残ったのは農村の原風景といえるような懐かしい景観です。
棚田の横を流れる川をはさんで古くからの神社が鎮座し、立派な茅葺屋根や白い漆喰壁をもつ民家の見える景観は、自分がイメージする山間の農村そのままの風景でした。
帰りしな棚田を耕している方に話を伺うと、その方は6反もの棚田を耕しているとおっしゃっていました。
集落の方々が、代々棚田を守り継いでくれるからこその絶景だと得心しました。
マンネングサ
「岩座神の棚田」に訪れた5月には、棚田の石垣や畦の所々に黄色い花が咲いているのが見えました。
これは、ベンケイソウ科の多年草であるマンネングサです。
田に水が張られている5月~6月上旬、20cmほどの茎の先に、可憐な花を鈴なりに咲かせます。
花を植えて美しい景観をつくるため、集落の老人会や神戸大学農学部の学生ボランティアなどが石垣のすき間に芽を植えて植栽しています。
まとめ
「農林水産省」選定の「日本の棚田百選」に認定されている「岩座神の棚田」では、重厚な石組みで造られた棚田を見ることができます。
これほど立派な石積みをもつ棚田が連なる景観は、他ではなかなか見られないと思います。
また、山間の農村の原風景的な景観も見所です。
基本情報
所在地
〒679-1205 兵庫県多可郡多可町加美区岩座神
料金
無料
関連サイト
写真撮影日
2017年5月
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