神奈川県小田原市にある「曽我別所梅林」を訪れました。
曽我梅林
曽我梅林は、曽我丘陵の麓に広がる別所梅林・中河原梅林・原梅林の総称です。
規模は約45ヘクタールあり、約3万5千本の梅が植えられています。
梅酒用として白加賀、梅干し用として十郎、梅酒、梅干し兼用として杉田が主な栽培品種です。
例年6月~7月初旬にかけて、380~400トンの梅が収穫されます。
神奈川県随一の梅の産地である曽我別所は、南に黒潮の流れる相模湾、北には曽我丘陵を擁し 冬も暖かく冷害が少ない場所です。
そのため梅の栽培に適し、古くから梅の生産地となっていました。
江戸時代には健康食品としてはもちろん、喉の渇きを癒し、弁当の防腐にもなる梅林の梅干は箱根越えをする旅人に重宝されたといいます。
アクセス
JR御殿場線「下曽我駅」で下車し、梅祭りの行われている別所梅林へ向かいました。
駅前から住宅街に入り、白く冠雪した富士山を見ながら東に少し歩くとすぐに梅が見えはじめました。
駐車場
梅林周辺に、臨時駐車場が複数あります。
有料駐車場は、駐車一回500円。
最寄り駅・近隣交通から
JR御殿場線「下曽我駅」から徒歩数分
地図
曽我梅林の景観
駅前の住宅街をぬけて富士山を見ながら歩いていると、いつの間にか梅林に入っていました。
住宅街と梅林の境界は定かではなく、街と梅林が一体となっている印象をうけました。
梅林に住宅街ができたのか、住宅街が梅林となったのか。
おそらく前者ではないかと思います。
もともと小田原では後北条氏の時代、梅を兵糧にするため多くの梅の木が植えられました。
そして江戸時代に入り、小田原藩主「大久保氏」により梅の栽培が奨励され急速に増えたそうです。
その時、造られた梅畑が受け継がれ、現在の「曽我梅林」となっているのでしょう。
梅林では生産果樹園である梅畑に植えられた白梅の他、大しだれ梅やしだれ梅並木なども見ることができます。
大しだれ梅
丘陵を少し登った場所にある見晴台からは、山裾の斜面から平野部にかけて広がる梅林を一望できます。
見晴台付近から見る別所梅林
自分がこれまで訪れた梅林は、市街化されにくい山や斜面を利用して造園されていて、人の生活区域と梅林が広がる農業地域がはっきり区別できました。
この場所のように、梅林が生活圏である市街化区域と半ば一体となっている景観は初めて見ます。
まさに、梅の郷(さと)と表現するのがふさわしい眺めではないでしょうか。
ハイキングコース
見晴台付近での眺望を楽しんだ後、そのまま丘陵を通るハイキングコースに入りしばらく街を巡りました。
散策路から見る富士山
江戸時代の僧、澄禅和尚が座禅修行したといわれる横穴式古墳 「澄禅窟」前の枝垂梅
法連寺
道標
弓張の滝
水量は多くありませんでしたが、水は綺麗でした。
開花の早い梅林
他の花に先がけて咲くことから花の兄とも呼ばれる梅ですが、この梅林の開花は特に早いです。
都心から日帰りで行けるメジャーな梅林の中では、熱海梅園と並んで開花の早い梅林ではないかと思います。
2月初旬に開花が始まることも多く、気が付いたら梅の見頃が過ぎている場合もあります。
観光協会のホームページなどで、開花情報をよくチェックして訪れてください。
小田原梅まつり
例年2月初旬~3月初旬までの期間「小田原梅まつり」が行われています。
会場は、「小田原城址公園」と「曽我梅林」
期間中には、寿獅子舞や流鏑馬(やぶさめ)、小田原ちょうちん踊りなど様々なイベントが催されます。
売店も出て、おでんやうどんなども販売されています。
期間中は時間によって交通規制があり、車の渋滞もかんがえらるので「曽我梅林」とアクセスの良い電車を使って訪れるのがお勧めです。
2023年(令和5年)は2月4日(土)~2月26日(日)に開催。
2022年(令和4年)は2月5日(土)~27日(日)に開催。
まとめ
「曽我梅林」は約35,000本の梅が咲き誇り背景に富士山を眺められる、ロケーションに恵まれた梅林です。
JR御殿場線「下曽我駅」から梅林まで徒歩数分という、交通アクセスの良さも特徴です。
また近郊には神社、仏閣などの史跡や名所も多く、充実した散策が行えます。
基本情報
所在地
神奈川県小田原市曽我別所
交通アクセス
JR「下曽我駅」から徒歩数分
料金
無料
関連サイト
訪問日
2010年2月
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